カラスを知りカラス対策に活かす

コラム3
カラスの嗅覚は?カラスが嫌がる臭いはあるのか?

カラスが嫌がる臭いはあるのか?カラスの鼻が悪い解剖学的な証拠

「カラスが嫌がる臭いはあるのか?」答えは「おそらくありません。99%」

なぜならカラスは鼻が悪いからです。

カラスの嗅覚が鈍いであろう解剖学的な証拠があります。
嗅覚は、脳の嗅球という部位が司っています。
カラスの嗅球は非常に小さく、痕跡程度しかありません。
また、嗅球から鼻に延びる嗅神経という神経がありますが、これが非常に細く貧弱です。
これを見る限り、嗅覚が非常に鈍いと考えられます。

ハシブトガラスの嗅球に関する解剖学的な研究について、以下の論文で横須賀博士らが発表しております(弊社代表取締役の塚原も共著者です)。
Yokosuka M, Hagiwara A, Saito T, Tsukahara N, Aoyama M, Wakabayashi Y, Sugita S, Ichikawa M, Histological properties of the nasal cavity and olfactory bulb of the Japanese jungle crow Corvus macrorhynchos. Chemical senses. Vol. 34, No. 7, pp. 581-593, (2009).



ふやかしたドッグフードの匂いがわからない!?

昔、こんな実験をしました。

塚原が学生時代、宇都宮大学の杉田研究室では、カラスの生理・生態を知るための実験用として、カラスを飼育していました。そのカラスの餌には、ドッグフードを与えていました。ちなみに「ビタワ◯」です。研究室で発注していたのはコストパフォーマンスの良い一番でかいサイズの「ビタワ◯」で、腰にずっしりきます。「ビタワ◯」を見ると、飼育小屋まで運んだことが思い出され、腰が疼きます...

お腹をすかせたカラスに2つのタッパを提示します。1つのタッパには何も入れず、もう1つのタッパにはふやかしたドッグフードを入れます。タッパには蓋がしてあり中身は見えませんが、蓋には穴が空いており、我々ヒトが近づけば、どちらにドッグフードが入っているのか、匂いですぐに分かります。もしカラスが匂いで餌を判断しているのであれば、空のタッパには目もくれず、ふやかしたドッグフードの入ったタッパに一目散のはずです。

しかし、、、

カラスがドッグフードの入ったタッパを選んだ確率は約50%でした。つまり当てずっぽう。要するにカラスは匂いでドッグフードを選んでいるわけではありませんでした。


解剖学的にも行動学的にも、カラスは鼻が悪いことが考えられます。
ですので、嗅覚を刺激することでのカラス被害の対策は難しいかもしれません。


コラム1「カカシ効果とは?」
コラム2「カラスが嫌いな色はあるのか?黄色が嫌いは本当?」
コラム3「カラスの嗅覚は?カラスが嫌がる臭いはあるのか?」