カラスを知りカラス対策に活かす

コラム6 カラスの五感

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、 総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋17年。

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カラスの五感

カラス被害対策を行う上で、カラスがどのような生き物であるかを知ることは大事である。今回はカラスの五感について紹介したい。

実はカラスの嗅覚は鈍い。その証拠に、嗅覚を司る脳の嗅球という部位が、他のトリに比べはるかに小さく、痕跡程度しかない。また、匂いは漏れるが中身は見えないように、紙で蓋をした容器を用意し、一方にはふやかしたドッグフードをいれ、もう一方には何もいれず、お腹を空かせたカラスに選ばせる実験をしたところ、カラスは当てずっぽうで容器を選んだ。この実験からもカラスは鼻が利かないことがわかる。 さらに、味覚も鈍そうである。我々ヒトの舌には、味蕾という味を感じるセンサーが約9,000個ある。一方で、カラスの味蕾は口腔内に約300個しかなく、ヒトの30分の1しか無い。しかし、食べ物の好みはある。高タンパク質、高脂質の食べ物は大好きで、唐揚げやマヨネーズは大好物だ。

カラスの聴覚は人間と同程度と考えられる。可聴範囲を比べると、むしろヒトより狭く、カラスも超音波は聞こえない。ただ、鳴き声で個体を識別できるなど、音を聞き分ける能力は優れていると考えられる。

触覚は優れていると考えられる。空を飛ぶトリ全般に言えることだが、翼で気流を的確に捉える必要があるからだ。嘴も敏感である。ハシボソガラスは地中の虫などを嘴で探索する。ニューカレドニアに生息するカレドニアガラスは嘴で木の枝などを加工し、絶妙な力加減でイモムシを釣り上げる。

カラスの五感で最も優れているのは視覚である。はるか遠くから食べ物を発見し、ピンポイントで飛来する。網膜にある神経節細胞の数は、ヒトが約100万個に対し、カラスは約360万個、視細胞の数は、ヒトが約1万個/mm2に対し、カラスは9万個/mm2あり、我々よりも高い分解能で対象物を見ているに違いない。さらに、カラスの色覚は優れている。ヒトは3原色で色を見ているのに対し、カラスは近紫外線も認識できるため4原色で色を見ている。我々ヒトとは全く異なる色で世界を見ており、わずかな色の違いも識別できると考えられる。

次回は、これらカラスの生物としての特徴に加え、カラスの習性を踏まえた上での効果的な被害対策を紹介したい。

本コラムは、農業共済新聞2019年11月3週号に掲載された内容を転載しております(一部修正している場合があります)。
紙面は以下よりダウンロードできます。

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、 総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋17年。

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コラム一覧

コラム1「カカシ効果とは?」
コラム2「カラスが嫌いな色はあるのか?黄色が嫌いは本当?」
コラム3「カラスの嗅覚は?カラスが嫌がる臭いはあるのか?」
コラム4「カラスは目が良い?優れた視覚をもつカラス」
コラム5「カラス被害と対策の現場」
コラム6「カラスの五感」
コラム7「カラスの習性を利用したカラス対策 その1」
コラム8「カラスの習性を利用したカラス対策 その2」
コラム9「カラスの知られざるおもしろ生態」
コラム10「根本的なカラス対策」

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