カラスを知りカラス対策に活かす

コラム12 「カラス基礎知識〜日本のカラス、好み、一日、一年、一生〜」

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋19年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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日本で見られるカラス

日本でみられるカラスと呼ばれる種は5種おり、そのうち、季節問わずみられる種がハシブトガラスとハシボソガラスです。この2種はほぼ日本全国でみられます。他の3種は、越冬のため大陸より日本に飛来する渡り鳥で、九州や日本海側を中心にミヤマガラス、コクマルガラスが、北海道ではワタリガラスがみられます。ここでは、主にハシブトガラスとハシボソガラスについて紹介します。

ハシブトガラスとハシボソガラス

ハシブトガラスの体長は50〜60cmで、体重は500〜800g、ハシボソガラスの体長は45〜55cm、体重は450〜600gで、ハシブトガラスのほうが一回り大きいです。名前の通り、くちばしが太いのがハシブトガラス、細いのがハシボソガラスです。

カラスの好み

カラスは雑食性でなんでも食べます。特に、高タンパク質、高脂質、高糖質のものを好み、人が出した生ゴミの中の肉や栽培された果実などへの嗜好性は高く、それらがゴミ荒らしといった生活被害や農作物への食害などを引き起こしています。食べ物を人に依存している印象が強いカラスですが、自然界では虫や木の実などをよく食べます。特に脂質の多い木の実は好物ですが、丸呑みし種子を傷つけず遠方へ運び排泄することで、種子散布者としての役目も担っています。また、カラスはスカベンジャーと呼ばれ、死んだ動物の肉を食べることで、自然界の循環に貢献しています。

カラスの1日

カラスの1日に注目してみましょう。カラスは日の出30分前くらいから行動します。まずは食べ物を探します。お気に入りの餌場を巡回し、食べ物を集めます。その場で食べることもありますが、木の洞や石の下、建物の通気孔や街頭スピーカーなど、様々な隠し場所に食べ物を隠し、後で食べる、貯食と呼ばれる行動をします。十分食べ物を確保できたら、水浴びや毛づくろい、日光浴などをし、日中過ごします。夕方になるとねぐら周辺に集まります。日の入り30分後くらいになると一斉にねぐらへと入り、朝まで過ごします。これらは非繁殖期のカラスか繁殖を行っていない若いカラスの1日です。繁殖中のカラスは縄張りを形成し、その中で1日を過ごします。

カラスの1年

では、カラスの1年をみてみましょう。地域により多少ずれますが、カラスは2月頃から営巣を始め、3月頃に卵を産みます。その後子育てをし、6月頃までは縄張り内にて家族で過ごします。ちなみに、カラスは2歳で性成熟し、子供を産めるようになります。それまでは若いカラス同士の集団で一日中過ごします。7月頃に親元を離れたヒナはこれらの若い集団に合流します。また、子育てを終えた親たちも徐々に縄張りを解消し、これらの集団に合流します。そのため、冬に向けてねぐらの規模も大きくなります。中には市街地にねぐらを形成することもあり、ふん害等の生活被害が発生することがあります。

カラスの一生

最後にカラスの一生を紹介します。カラスは生涯を一夫一妻で過ごすと考えられています。寿命はよくわかっておりませんが、自然界でも20年近く生きた観察例があります。カラスの1組のペアは毎年3〜5個の卵を産みます。それらは全て巣立つわけではなく、兄弟間での競争や天敵による捕食などを経て、平均すると巣立つのは2.5羽程度と考えられています。となると、単純計算で個体数は毎年2倍程度になると思われますが、実際は冬に多くのカラスが餓死していると考えられます。冬に自然界での食べ物が極端に減るためです。また、カラスは脂肪などの蓄えがほとんどない上、代謝が非常に高いため、体温維持などカロリーを多く消費する冬は、餓死する危険性も高まり、カラスにとって非常に厳しい季節となります。そのため、春には毎年同程度の個体数に戻ると考えられます。

カラスの生態をもっと詳しく知りたい方に

CrowLab代表の塚原の著書『カラスをだます』では、身近だけど意外と知られていない、誤解されているカラスの生態や、また身近なもので今すぐできるカラス対策なども紹介してますので、ぜひご覧ください。

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋19年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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