カラスを知りカラス対策に活かす

コラム16 「カラスに襲われた?カラスの威嚇に伴う怪我等を防ぐには?」

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋20年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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子育て時期のカラスによる威嚇

以下の動画は、子育て時期のカラスによる威嚇行動です。
ウェアラブルカメラ「GoPro」を背中に装着し、何度も後頭部に接近するカラスの様子を撮影しました。 カラスは子育て時期にヒトへの威嚇を行うことがあります。ヒトが知らずにヒナに接近してしまった際などによく起こります。カラスの親は、ヒナがヒトに襲われると勘違いして、自分に注意を向けようとし、接近します。

ヒトを積極的に襲っているわけではない?

カラスに襲われた、というケースのほとんどは、子育て時期に発生してます。巣立ったカラスのヒナは、しばらく親ガラスと一緒に過ごし、食べ物の取り方や飛び方を学びます。飛び方が下手な上に、警戒心もあまりないので、ヒトの近くに平気で飛んでいきます。親ガラスからすると気が気でありません。運悪く、そんなヒナのそばをヒトが通りがかってしまい、かつ、すごくアグレッシブな親ガラスだった場合(カラスにも個性があり、ビビりなやつもいれば、アグレッシブなやつもいます)、親ガラスはヒナが襲われると思い、自分に注意をひこうとしてか、決死の覚悟でヒトめがけて突っ込んできます。ヒトのほうが数倍も大きいわけですから、親ガラスも怖いわけで、その証拠にヒトの死角である後頭部から接近します。

ヒトを襲ってくるカラスが居る!そんな時は?

カラスの巣が撤去された等でカラスを刺激してしまった場合、そばを通るヒトに対し、のべつまくなしに接近するなど威嚇してくることがあります。できればそのような場所は避けて回り道をしたほうが良いですが、通勤や通学の道中などでどうしても通らなければいけないという時には、以下のような対策をしながら通過してください。

  • 傘をさす
  • 帽子をかぶる
  • ばんざいポーズをしながら歩く
  • カラスが後頭部にぶつかってくることを意識する

  • カラスはヒトの後頭部をめがけて接近します。その際、ヒトと接触しやすいのが脚ですが、カラスの爪はするどいので要注意です。爪がかすってしまった際に、頭部等の皮膚が傷つけられてしまう可能性があるため、傘をさしたり、帽子をかぶって防御すると安心です。
    ばんざいポーズについては、NPO法人札幌カラス研究会の中村眞樹子さんが発案した方法ですが、腕上げをすることで、翼が当たることをカラスが恐れ、接近しないという対策です。傘や防止などがなくてもできる優れた方法ですので、ぜひやってみてください。
    上記の「カラスが後頭部にぶつかってくることを意識する」については、実は結構大事なことだと思います。というのは、カラスに襲われて怪我をしたという場合、びっくりしてころんでしまったというようなケースが多いからです。ここではカラスがぶつかってくることになっている、と思って落ち着いて通過すれば、びっくりしてころんでしまうというようなことは起きにくいと思います。カラスの体重は500-800g程度で、カラスも恐る恐る接近するため、カラスが当たること自体はそこまでの衝撃はありません。必要以上に恐れず、傘などで後頭部を守って通過しましょう

    こちらのNHKの取材記事もご参照ください。

    カラスの営巣にお困りの方には「だまくらカラス」がお勧めです

    残念ながら、営巣が始まってしまったあとには弊社の技術では為す術がありませんが、営巣前の12月頃の早い時期から、弊社の「だまくらカラス」を導入いただくことで、カラスの営巣を防げています。詳しくはこちらをご参照ください。

    カラスの生態をもっと詳しく知りたい方に

    CrowLab代表の塚原の著書『カラスをだます』では、身近だけど意外と知られていない、誤解されているカラスの生態や、また身近なもので今すぐできるカラス対策なども紹介してますので、ぜひご覧ください。

    この記事を書いたのは

    代表取締役 塚原 直樹

    博士(農学)

    宇都宮大学特任助教

    群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋20年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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