カラスとヒトとの摩擦 ~なぜ農業現場に飛来するのか~

コラム24「ストップ鳥獣害① 農業現場はカラスに好都合な餌場」

この記事を書いたのは

代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋20年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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カラスとヒトとの摩擦とは

農作物の食害、家畜感染症の伝播など、農業現場でカラスがもたらす被害は大きい(写真はカラスに突かれたリンゴ)。ヒトからすれば被害だが、カラスとしては単に食べ物を求めただけである。これはある意味、カラスとヒトとの間の摩擦とも言える。
では、その摩擦はなぜ起きるのか。それは、カラスの生活圏がヒトと被るためだ。両者の接点の多さが摩擦を生む機会を増やす。両者が棲み分けできると摩擦を減らせるだろうが、カラスは空を飛ぶため柵などで物理的に区分することは難しい。

なぜカラスは農業現場に来るのか?

カラスはなぜ農業現場に来るのか。最大の要因は、栄養価の高い食べ物があるからだ。農作物は品種改良で、山野の木の実などに比べ圧倒的に栄養価が高い。飼料は家畜を短期間で肥育させることを目的として作られており、栄養価は言わずもがなだろう。魅力的な食べ物があるため、カラスは農業現場に執着する。
加えて、探索コスト・獲得コストが低い点が、カラスが農業現場を好む原因だ。時季になれば農地には大量の食べ頃の作物が現れる。畜舎には季節問わず栄養価の高い飼料が豊富にある。自然の中で十分な量の食べ物を見つけることは大変で探索コストは高いが、食べ物のある場所が明確な農業現場は探索コストが低い場所と言える。また、農業現場は土地が広く、防鳥網などの物理的な侵入防止の対策が難しい場合も多い。結果、カラスは簡単に侵入でき、食べ物を得るのも容易だ。つまり獲得コストが低い場所と言える。要は、農業現場はカラスにとってとても良い餌場なのだ。
本掲載では農業現場での被害を減らすため、「コラム25」以降でカラスの生態を紹介し、その上でどのような対策が効果的か解説したい。

本コラムは、全国農業新聞2025年6月13日号に掲載された内容を転載しております(一部修正している場合があります)。

カラスの生態をもっと詳しく知りたい方に

CrowLab代表の塚原の著書『カラスをだます』では、身近だけど意外と知られていない、誤解されているカラスの生態や、また身近なもので今すぐできるカラス対策なども紹介してますので、ぜひご覧ください。

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代表取締役 塚原 直樹

博士(農学)

宇都宮大学特任助教

群馬県桐生高校卒業。CrowLab代表取締役。宇都宮大学にて杉田昭栄教授のもと、カラスの音声コミュニケーションの研究に従事し、博士取得。宇都宮大学特任研究員、総合研究大学院大学助教を経て、現在は、宇都宮大学特任助教。カラス研究一筋20年。主な著書にNHK出版『カラスをだます』

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コラム一覧

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コラム5「カラス被害と対策の現場」
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